2014/8/20

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ビットコイン、ルーマニアで普及の兆し

この記事の要約

ルーマニアで仮想通貨「ビットコイン」の利用が広がっている。ハイテクに抵抗が少ない国民性に加え、自国通貨レウに対する不信感がビットコインの普及を後押ししているようだ。 首都ブカレストには5月に国内初のビットコインの現金自動 […]

ルーマニアで仮想通貨「ビットコイン」の利用が広がっている。ハイテクに抵抗が少ない国民性に加え、自国通貨レウに対する不信感がビットコインの普及を後押ししているようだ。

首都ブカレストには5月に国内初のビットコインの現金自動預払機(ATM)が設置され、今後も増設が計画されている。西部オラデアに昨年開設された初のビットコイン取引所「BTCXchange」はこれまでに2,000件の顧客を集め、取引総額は512万レウ(157万米ドル)相当に達している。決済にビットコインを導入するコーヒーショップ、フィットネスジム、美容院、レストランも徐々に増えてきている。BTCXchangeのオーナーであるヴスカン氏は、「皆がビットコインを保存できるアプリを携帯電話に持ち、普通の財布と同じようにショップやレストランで使えるようにしたい」と目標を語るとともに、将来的にはレウだけでなくユーロやドルでの取引も可能にし、スロベニアの「Bitstamp」のような、より大きな規模を持つ取引所との統合も視野に入れていることを明らかにした。

ビットコインの普及に向け克服するべき課題のひとつとされているのが、ボラティリティの高さだ。BTCXchangeによると、今年の価格は1,170レウから3,406レウまで大きな変動を見せている。さらに、セキュリティーの重要性も指摘されている。米通信大手ベライゾンがまとめた世界のハッカー攻撃に関する報告書によると、ルーマニアは中国に次ぐ主要攻撃源になっており、ビットコインを悪質なハッカーから守るための対策が強く求められている。(1RON=0.30US$)