2014/10/1

総合・マクロ

ライファイゼン・インターナショナル、今年は赤字転落

この記事の要約

中東欧・旧ソ連邦諸国を中心に事業を展開するオーストリアの金融大手ライファイゼンバンク・インターナショナル(RBI)は23日、2014年通期は最大5億ユーロの赤字に転落するとの見通しを示した。ウクライナ問題に加え、ハンガリ […]

中東欧・旧ソ連邦諸国を中心に事業を展開するオーストリアの金融大手ライファイゼンバンク・インターナショナル(RBI)は23日、2014年通期は最大5億ユーロの赤字に転落するとの見通しを示した。ウクライナ問題に加え、ハンガリーのローン利用者への保障で収益悪化が避けられないとしている。

同行の13年の最終損益は6億300万ユーロの黒字。6月中間期は3億4,400万ユーロの黒字だった。

カール・セフェルダ頭取は記者会見で、今年通期は5,000万~5億ユーロの赤字になるとの見通しを表明。ただ、2015年は収益が改善し、5億ユーロ前後の黒字を見込んでいることを明らかにした。

ハンガリー事業は6月中間期に6,700万ユーロの引当金を繰り入れ、1億ユーロの赤字を計上した。年内に引当金を173億ユーロ積み増す予定だ。

政情不安に揺れるウクライナでは中間期損失が3,400万ユーロに上った。貸倒引当金は従来の「13億~14億ユーロ」から「15億~17億ユーロ」へ増やす。子会社アヴァル・バンクについても、6,000万ユーロののれん償却を行う可能性がある。

ロシア事業はRBIの稼ぎ頭だ。6月中間期の利益は2億1,200万ユーロとグループ全体の6割を超えている。この点からも、欧州連合(EU)の対ロシア制裁がどう影響するのかが注目される。