2014/10/1

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ヒポ・アルペ銀の南東欧事業、今月中に売却先決定

この記事の要約

オーストリア政府が国有化したヒポ・アルペ・アドリア銀行(HGAA)の南東欧事業売却が遅れている。9月末までに売却先を決定する方針だったが、候補企業による財務審査期間の延長や、買収提案の精査を重視した結果、予定よりも時間が […]

オーストリア政府が国有化したヒポ・アルペ・アドリア銀行(HGAA)の南東欧事業売却が遅れている。9月末までに売却先を決定する方針だったが、候補企業による財務審査期間の延長や、買収提案の精査を重視した結果、予定よりも時間がかかった。しかし、今月中には交渉が完了する見通しだ。ヘルベルト・ヴァルター代表監査役の話として墺経済紙『ヴィルトシャフトブラット』が25日伝えた。

売却先候補については明らかになっていないが、19日付ロイター通信は消息筋の情報として、米投資会社アドベント・インターナショナルと欧州復興開発銀行(EBRD)から成る企業連合が最有力と報じている。

ヒポ・アルペ・アドリアは投資の失敗などで財務が悪化し、2009年にオーストリア政府が倒産を回避するため国営化した。ヴァルター代表監査役によると、HGAAの親会社である清算持ち株会社(ABBAG)は、来月1日付でHGAAを採算事業と非採算事業に分ける。採算性のあるスロベニア、クロアチア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロの南東欧5カ国事業はSEEホールディングとなる。一方で、非採算事業はヘタ・アセット・レゾリューションが管理し、17年までに段階的に閉鎖する。

南東欧5カ国事業の資産総額は6月末現在で85億ユーロ。上半期決算では43億ユーロの赤字を計上した。ABBAGから17年まで22億ユーロの支援を受けることが決まっている。