2014/10/15

ハンガリー

ハンガリー、原発拡張でロシアと提携

この記事の要約

ウクライナ情勢をめぐる欧州連合(EU)とロシアの関係緊張が続く中、ハンガリー政府は予定通り原発拡張工事をロシア原子力公社(ロスアトム)に発注する方針だ。拡張計画の指揮監督を担当するアティラ・アソディ政府委員が墺APA通信 […]

ウクライナ情勢をめぐる欧州連合(EU)とロシアの関係緊張が続く中、ハンガリー政府は予定通り原発拡張工事をロシア原子力公社(ロスアトム)に発注する方針だ。拡張計画の指揮監督を担当するアティラ・アソディ政府委員が墺APA通信の取材で明らかにした。

ハンガリー政府は同国唯一の原子力発電所であるパクシュ原発に原子炉2基を新設する計画だ。出力は合計2,400メガワットで、2032年と37年に運転を停止する既存4基(合計出力2,000メガワット)を更新する。

現行計画によると、2018年に着工し、25年に1基目が、26年に2基目が運転を開始する。既存原子炉も平行して稼動するため、一時的に発電容量は4,400メガワットまで拡大する。

総工費は125ユーロの予定で、うち100億ユーロをロシアからの低利融資でまかなう。返済は25年に開始する。

パクシュはブダペストの南方約120キロメートルに位置し、旧ソ連の原子力技術を採用している。アソディ委員によれば、巨額資金の調達問題がロシアによる融資で解決されること、政治的混乱時も含めてロシアが常に核燃料を供給するなど、両国間に強い信頼関係があることがロスアトムへの発注の決め手となった。

原発拡張計画案は2009年にハンガリー議会で可決された。今年1月にオルバン首相とプーチン大統領が契約に調印。ロスアトムが建設のほか、燃料の供給と使用済み燃料の回収も担当することが決まった。

なお、パクシュ原発拡張計画の実行・監督業務はハンガリー電力公社(MVM)が担当してきたが、今月に入ってから政令により首相府の管轄下に移管された。