2014/11/19

総合・マクロ

ハンガリーが食品小売店への課金強化へ、EU法違反の外資差別との批判

この記事の要約

ハンガリー政府が食料品の衛生管理などの名目で食品小売店に支払わせる課徴金の引き上げを計画している。売上高の大きい企業の負担を増やす内容で、当該法案は来週にも議会の承認を受け、2015年1月1日付で施行される見通しだ。主に […]

ハンガリー政府が食料品の衛生管理などの名目で食品小売店に支払わせる課徴金の引き上げを計画している。売上高の大きい企業の負担を増やす内容で、当該法案は来週にも議会の承認を受け、2015年1月1日付で施行される見通しだ。主に外資系企業の負担増加が予想されるため、オーストリア経済会議所(WKOe)は欧州連合(EU)法違反の不当な差別だと批判している。墺経済紙『ヴィルトシャフトブラット』が13日伝えた。

ハンガリーでは市販されている食料品の衛生状態などを調査するための費用を小売店から徴収している。料金はこれまで、売上高の一律0.1%と定められていたが、新法案では売上規模が大きい企業ほど同比率が上昇するルールを採用。年商3,000億フォリント(9億7,550万ユーロ)以上の場合は6%に達する。

地元食品スーパーでは各店舗が1企業とみなされるフランチャイズ方式を採用しているケースが多いため、新法案が施行されても負担が増えない。これに対し、外資系ではチェーン全体が1企業となるため売上高が大きく、負担が大幅に膨らむ見通しだ。墺スーパーマーケット「スパー」のハンガリー売上高(15億3,000万ユーロ=2013年)を例に計算すると、料金負担は13年の153万ユーロから60倍の9,180万ユーロに拡大することになる。英テスコ、独アルディ、リドル、仏オーシャンも大きな影響を受ける。

ハンガリー商工会議所の試算によると、同法案の施行により国の料金収入は年1億ユーロに達する。地元系小売店と外資系の市場シェアはそれぞれ50%程度と分け合っているものの、料金収入の85%は外資が負担する見通しだ。