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2014/11/26

ポーランド

英スリーレッグス・リソース、ポーランドのシェールガス事業から撤退

この記事の要約

英シェールガス事業者スリーレッグス・リソースは19日、ポーランドのバルト海沿岸東部地域に所有する3鉱区の権益をスウェーデンのステナ・グループに売却すると発表した。同社は9月にも同西部地域の3鉱区を米石油大手コノコフィリッ […]

英シェールガス事業者スリーレッグス・リソースは19日、ポーランドのバルト海沿岸東部地域に所有する3鉱区の権益をスウェーデンのステナ・グループに売却すると発表した。同社は9月にも同西部地域の3鉱区を米石油大手コノコフィリップスに売却しており、今回の売却により同国のシェールガス事業から撤退する。カムレシュ・パーマーCEOは撤退の理由として商業化に要する時間とそれによるコストの増大を挙げ、採掘許可を得るまでに18~22カ月を要する政府の対応を批判した。

ポーランドではこれまでに66件の垂直掘削による試掘が行われ、うち11件では水平水圧破粋法によって少量の天然ガスの採掘に成功している。しかし専門家は埋蔵する天然ガスの質を確認するためには少なくとも200件の試掘が必要だと指摘。同国での試掘に要するコストが米国の2倍以上かかる中、国内外の企業のこれまでの投資額は6億2,500万ユーロに上る。

同国環境省は現在採掘許可に要する時間を短縮する法案を検討中で、2020年には水圧破粋法による通常の採掘事業が可能になるとしている。

同国のシェールガス事業からはすでに米マラソン・オイル、エクソン・モービル、伊エニ、仏トタール、英クアドリラ、加カナディアン・インターナショナル・オイルの6社が撤退している。