2014/12/3

総合・マクロ

ロシア経済、来年ゼロ成長=OECD最新予測

この記事の要約

経済協力開発機構(OECD)は11月25日に発表した最新経済見通しの中で中東欧の加盟9カ国に言及し、ロシア経済が来年はゼロ成長になるとの予測を示した。欧米による制裁やルーブル安の影響が尾を引くとし、国内経済の柔軟な対応が […]

経済協力開発機構(OECD)は11月25日に発表した最新経済見通しの中で中東欧の加盟9カ国に言及し、ロシア経済が来年はゼロ成長になるとの予測を示した。欧米による制裁やルーブル安の影響が尾を引くとし、国内経済の柔軟な対応が必要と指摘している。

ウクライナ情勢に揺れるロシアは、欧米などの対ロ制裁、ルーブル安、石油相場の下落が経済に大きく影を落としている。経済成長率は今年の0.35%から来年はゼロ成長となり、16年に1.6%のプラスに転じる見通しだ。国内経済がいかに柔軟に対応できるか、ロシアに制裁を課していない国との取引を拡大できるかがカギの一つだ。また、財政出動の余裕がないため、経済構造の改革の必要性がさらに高まっている。

トルコは今年3%、来年3.5%、16年4%と、同国にしては低い水準にとどまる。今年は景気過熱対策の結果、内需が減ったが、輸出が増加して相殺した。今後は、市場の信頼を得られるような経済・金融政策を実行に移せるかが注目点となる。また、財政の透明性を確保することも重要だ。

ハンガリーの成長率は今年の3.3%から来年は2.1%、16年は1.7%へ低下する。今年上半期に成長率を押し上げた公共プロジェクトや自動車製造業界の大型プロジェクトが一段落し、投資が縮小するためだ。中期的には、輸出産業以外の分野で競争を促進する政策を実施したり、銀行の事業環境を改善することが成長につながる。

スロベニアは、緊縮財政の継続、高失業率で内需にブレーキがかかり、経済成長が拡大するのは16年からとなる。今年2.1%、来年1.4%、16年2.2%の成長が見込まれる。

エストニアは穏やかな回復が続く。内需が拡大する一方で、輸出先の経済不振や、賃金上昇による競争力低下で外需が縮小する。成長率は今年2%、来年2.4%、16年3.4%の予想。

ラトビアは、内外の需要をばねに回復が加速する。今年は2.5%、来年は3.2%、16年は3.9%成長する見通しだ。

スロバキアも今年増加に転じた個人消費が引き続き伸びる見通しで、経済は今年2.6%、来年2.8%、16年3.4%拡大する。

チェコは融資条件改善や財政支出増加、賃金上昇など内需拡大の条件がそろい、輸出の不振を相殺できそうだ。今年2.4%、来年2.3%、16年2.7%の伸びが見込まれる。

ポーランド経済は、今年3.3%から来年は3%へ減速。16年に3.5%へ回復する。国外取引先の需要が減り、内需拡大でも完全には補てんできないとの予測だ。