英大手銀行HSBCと調査会社マーキット・エコノミクスが3日発表したロシアのサービス業景況感指数は44.5となり、前月の47.4から低下した。これは過去5年半で最低の水準。欧米による制裁やルーブル安、政治的な先行き不透明感で民間企業の業績が悪化している様子が現れた形だ。
HSBC銀でロシア・CIS地域を担当するモロゾフ主任エコノミストは、サービス業の事業環境が今後数カ月でさらに悪化すると予測する。景況感がこれほど悪かったのは2008~09年の危機以来という。
ロシアは今月1日、天然ガスパイプライン「サウス・ストリーム」の敷設計画の中止を発表。2日にはガスプロムバンクに399億5,000万ルーブル(約7億4,000万米ドル)の公的資金を注入することを決めた。また、来年の経済成長見通しをマイナスに修正し、政府として初めて危機が迫りつつあることを認めた。VTB銀のドゥブニン代表監査役は、金融システムに「一種のパニック」が生じていると話している。(1RUB=2.25JPY)