2015/1/28

コーヒーブレイク

ウォッカ指南~ロシア

この記事の要約

ロシア人の蒸留酒好きは周知のことだが、はて、どう飲むのが正しいのか。 ウォッカを飲まない国の人間は、ロシア人が大量に飲めるのは「体のつくりが違う」と考えがち。しかし、ロシア人に言わせると、伝統に基づく「飲み方」があるのだ […]

ロシア人の蒸留酒好きは周知のことだが、はて、どう飲むのが正しいのか。

ウォッカを飲まない国の人間は、ロシア人が大量に飲めるのは「体のつくりが違う」と考えがち。しかし、ロシア人に言わせると、伝統に基づく「飲み方」があるのだそうだ。

ロシアの実業家で外国客を接待する機会が多いミナエフさんは、「欧州や米国、中国から来た人は何も食べずにウォッカを飲む」とその誤りを指摘する。空腹のまま飲めば2~3杯でまともな話ができなくなるほど酔ってしまうという。

ミナエフさんによれば、ヒントは脂の入った食事をとること。ロシア料理には安くておいしい前菜がたくさんあるから、いろいろ試してほしいと語る。そもそも、料理に合うからロシア人はウォッカを好むそうだ。

また、大みそかのパーティーの前には生卵を食べる習わしもある。食中毒が怖い人は大さじ1杯の食用油で代用できる。メキシコ人のフォンセカさんもその効能を証言する一人だ。初めてロシア人と祝う前に、油を大さじ数杯飲み、ジャガイモ2個を食べたところ、ウォッカを1本空けたのに酔わなかったという。

また、シベリア産ウォッカを売るクネシェヴィチさんは、「外国の人はウォッカを一気に飲まないのがいけないと思う」と話す。そして、一気に飲んだら鼻から息を吐くのが正しいという。

「一緒に飲む」のも大切なエチケットだ。2~3杯飲んで「もっと飲める」と思ったら、1本注文して他の人にもふるまうのが良い。あるとき、自分だけで飲んだ外国人ビジネスマンがいたが、その人は「ロシア訪問の目的だった契約を逃して帰った」(ミナエフさん)そうだ。この点は日本の商習慣とも少し似ているかもしれない。