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2015/3/25

自動車

アフトワズ、シェア奪回に意欲

この記事の要約

ルノー・日産連合傘下のロシア自動車最大手アフトワズがシェア拡大を目指している。不景気で消費者の可処分所得が減少し、米ゼネラルモーターズ(GM)などが減産に追い込まれる中、得意の低価格車市場で40~50%の占有率を目指す。 […]

ルノー・日産連合傘下のロシア自動車最大手アフトワズがシェア拡大を目指している。不景気で消費者の可処分所得が減少し、米ゼネラルモーターズ(GM)などが減産に追い込まれる中、得意の低価格車市場で40~50%の占有率を目指す。19日付のロイター通信が伝えた。

ロシア経済の不振はアフトワズの財務にも影を落としている。昨年の最終損益は250億ルーブルの赤字。輸入部品の値上がりを受けた販売価格の引き上げもあり、今年1-3月期の販売台数は24%減少する見込みだ。

一方、欧州ビジネス協会(AEB)によると、アフトワズの市場シェアは1-2月期に1.7ポイント増の16.9%に上昇した。同時期にGMのシェアは5.8ポイント減の3.4%、フォードは1.6ポイント減の2.9%に縮小している。

アフトワズの強みは何といっても価格の安さだ。昨年のモデル別販売台数トップの「ラーダ・グランタ」の値段は34万9,000ルーブルと、2位の「ヒュンダイ・ソラリス」より4割安い。

今後の課題は顧客満足度の改善にある。「ラーダ」ブランドの満足度は昨年44%と、最も競合する日産「ダットサン」の60%を大きく下回った。品質に敏感な中産層向けの販売を拡大するには評判の向上が必要だ。(1RUB=2.02JPY)