ロシアが北朝鮮との国境を水路で結ぶプロジェクトに着手する。ガルシュカ極東発展相が4月27日、ピョンヤンで開かれた露朝経済協議に出席し、ロシアのハサン地区と北朝鮮の羅津(らしん)を結ぶ浮桟橋(ポンツーン)の合同敷設プロジェクトに言及。同省と地元当局が連携して手続き準備を進めていることを明らかにした。
ロシアは羅津港の第3埠頭の使用権を獲得し、中国、日本、韓国への輸出拠点として整備しており、同港を物流上重要な拠点に位置付けている。ガルシュカ極東発展相によると、浮桟橋計画はシベリア鉄道およびバイカル・アムール鉄道と北朝鮮鉄道の連結計画と連動して行われる。ロシアの両鉄道は2018年までに刷新工事の完了を目指しており、今年は100億米ドル超を投資するという。
両国は今年2月に二国間経済協力委員会を立ち上げた。経済関係強化を通して2020年までに貿易高を年間10億米ドルに拡大するという目標を掲げる。今回行われた初協議では、貿易拡大のほか交通や公益サービスなどのインフラプロジェクトでの協力を確認した。
露朝関係は金正恩政権になって一旦は冷え込んだものの、昨年以降、ロシアが対朝借款110億米ドルを大幅減免すると同時に、北朝鮮のエネルギー供給や鉱物資源開発での協力に積極的な姿勢を示すなど、急速に改善が進んでいる。