2015/5/6

ハンガリー

GDFスエズ、ハンガリーのガス小売事業から撤退

この記事の要約

仏エネルギー大手GDFスエズがハンガリーでのガス小売のユニバーサルサービス事業から撤退する。同国のエネルギー公益事業規制局(MEKH)が4月27日明らかにしたもので、GDFスエズはMEKHに対しユニバーサルサービス事業者 […]

仏エネルギー大手GDFスエズがハンガリーでのガス小売のユニバーサルサービス事業から撤退する。同国のエネルギー公益事業規制局(MEKH)が4月27日明らかにしたもので、GDFスエズはMEKHに対しユニバーサルサービス事業者としての資格返上の申請を行った模様だ。今後MEKHは同社の事業を引き継ぐ事業者を募集することになる。

撤退の背景にはオルバン政権が導入した小売規制価格の引き下げなどによる収益の圧迫があると見られる。GDFスエズは昨年11月に電気事業、今年2月にはガスの非ユニバーサルサービス事業を、スイスに拠点を置くエネルギー企業METハンガリーに売却することで合意するなど、ハンガリーの事業ポートフォリオの見直しを進めてきた。また、独エネルギー大手エーオンも先ごろ、同国でのユニバーサルサービス事業の資格返上の申請を行っている。

ハンガリーでは2006年以降ガス市場への新規参入が進んだ。しかし、公共料金の抑制を掲げるフィデス党が2010年に政権に復帰して以降は公益事業者への特別税の導入や小売規制価格の引き下げが行われ、事業者の収益に影響が出ている。オルバン政権は公益事業の再国営化も進めており、4月にはエネルギー企業ENKSZを設立してガス事業を開始した。今後は電力や熱供給事業にも乗り出す予定だ。