2015/6/24

コーヒーブレイク

金色の騎士像~トルクメニスタン

この記事の要約

トルクメニスタンの首都アシガバートに新たな観光名所が誕生した。グルバングルイ・ベルドイムハメドフ大統領(57)の金色の騎馬像だ。2006年に他界したニヤゾフ前大統領の黄金像に負けないインパクトで、「伝統にならった」権力の […]

トルクメニスタンの首都アシガバートに新たな観光名所が誕生した。グルバングルイ・ベルドイムハメドフ大統領(57)の金色の騎馬像だ。2006年に他界したニヤゾフ前大統領の黄金像に負けないインパクトで、「伝統にならった」権力の神聖化が狙いとみられている。

新しいモニュメントは高さ21メートル。大理石製の山の頂から、馬にまたがる大統領が鳩を手に首都を望む。前大統領も金箔の彫像をいくつも作ったが、ベルドイムハメドフ大統領はこれまで、街の至る所に自らの肖像画を貼りだすだけにとどめていた。

ところが、言論統制の厳しいトルクメニスタンで奇跡的な「草の根運動」が実り、「国民の強い希望に応えて」(政府高官)、初の黄金像が建立されたという。

個人崇拝の傾向は彫像だけにとどまらない。前大統領は「トルクメンパシ(トルクメン人の長)」と呼ばれていたが、ベルドイムハメドフ大統領も今年4月、議会から「トルクメニスタンの馬飼い」という称号を与えられた。同国原産のアハルテケ種を中心に、「馬」はトルクメニスタンの文化的統合を象徴する存在だ。

アシガバードはニヤゾフ前大統領の代から、大統領の好みに沿った「都市計画」で世界一の奇矯な町として知られるようになった。ベルドイムハメドフ大統領もその伝統を受け継ぎ、珍妙な風景に今後も磨きがかかりそうだ。(東欧経済ニュース2月18日号「ラッキーカラーは白~トルクメニスタン」を参照)