2015/7/1

自動車

ロシア自動車市場は引き続き縮小、国産ブランドも苦戦

この記事の要約

ロシアで自動車販売の低迷が続いている。欧州ビジネス協会(AEB)が先ごろ発表した5月の新車販売台数は前年同月比約37.6%減となり、4月の41.5%減に続く大幅な落ち込みとなった。全てのメーカーが販売台数を大きく落とす中 […]

ロシアで自動車販売の低迷が続いている。欧州ビジネス協会(AEB)が先ごろ発表した5月の新車販売台数は前年同月比約37.6%減となり、4月の41.5%減に続く大幅な落ち込みとなった。全てのメーカーが販売台数を大きく落とす中、主に低価格車を生産する同国最大手のアフトワズはシェアを伸ばしているものの、苦戦が続く。

ロシアに進出する自動車メーカーは昨年来、ルーブル安による輸入部品調達費の高騰や景気低迷による国内需要の不足に悩まされている。アフトワズの今年1-5月期のシェアは17.8%で、前年同期の15.8%から2ポイント上昇したものの、販売台数は30%近く減少した。

アフトワズは昨年、全従業員の4分の1に当たる1万7,000人を削減。今年は2,500人を解雇した。これについて同社のアンデルソン最高経営責任者(CEO)は英『フィナンシャルタイムズ』に対し、人員削減により生産効率は向上していると述べた。しかし、スイス大手銀行UBSのアナリスト、フィリッペ・フシュア氏は、アフトワズの株式の過半数を握るルノー・日産による投資を引き出すためには、同社が現在の苦境を乗り越える必要があると指摘した。同社の14年の純損失は4億ドルに上る。

ロシアでは米ゼネラルモーターズ(GM)が今年3月、サンクトペテルブルク工場の閉鎖と、独子会社オペルのロシア市場からの撤退を発表した。また、フォルクスワーゲン(VW)や仏PSAプジョーシトロエンも雇用削減を計画している。