ロシア中央銀行は7月29日、外貨準備高補充のための市場介入を28日付で停止したと発表した。外貨購入に伴う通貨ルーブルの下落に歯止めをかけるのが目的で、31日に実施した0.5ポイントの政策金利引き下げに向けた地ならしの意味もあったもようだ。
中銀は昨年、原油価格の下落や欧米の経済制裁の影響でルーブルが対ドルで4割以上も下落したことを受け、ルーブルを買い支えるための大規模な為替介入を実施した。このため、市場介入の原資となる外貨準備高は年初の時点で約3,850億ドルまで減少。中銀は同準備高を1年前の水準の約5,000億ドルへ回復するため、5月13日に市場介入を再開し、1日平均2億米ドルを購入してきた。
一方、ルーブルは中銀の介入再開と原油価格の低迷により、5月半ばから対ドルで17%下落した。中銀の発表後、ルーブルは一時対ドルで0.9%高の1ドル=59.46ルーブルまで高騰。中銀の31日の政策金利の決定に際して利下げの余地が拡大した。