2015/10/7

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

シェル、ボスニアでの石油資源開発を断念

この記事の要約

石油大手の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルがボスニア・ヘルツェゴビナでの石油資源開発を断念する。原油価格の低迷を受け、採算性を確保するのは難しいと判断した。同社は2011年に同国を構成するボスニア・ヘルツェゴビナ連邦自治政府 […]

石油大手の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルがボスニア・ヘルツェゴビナでの石油資源開発を断念する。原油価格の低迷を受け、採算性を確保するのは難しいと判断した。同社は2011年に同国を構成するボスニア・ヘルツェゴビナ連邦自治政府と開発権の獲得で基本合意を締結。13年と14年にそれぞれ合意を延長していた。

ロイター通信が9月30日に報じたところによると、シェルは同自治政府に宛てた文書で、基本合意は今年11月に失効すると表明している。理由として同社は、◇事業戦略の見直し◇石油・ガス資源をめぐる環境の変化――を挙げている模様だ。自治政府関係者は、シェルの通達は一方的なもので、同社と文書の内容について議論する必要があるとしている。

基本合意では、同国西部のビハチからアドリア海沿岸のネウムに至るディナリディ地区における探鉱・開発権をシェルに与えることになっていた。試算では、同地区南部の埋蔵量は5億トン、北部は7,000万トンとみられる。政府は以前、同事業への投資額は3億から7億ユーロに上るとしていた。

同国の石油資源については、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が始まった1992年以前に米英の専門家が複数の油田候補地を特定していた。