チェコ下院は10日、オンラインによる売上高申告制度(EET)の導入法案を賛成105票、反対3票、棄権42票で可決した。申告漏れによる脱税を減らし、徴税の適正化を図る狙い。上院の承認とゼマン大統領の署名を経て発効する。
EETはレジスターを税務当局とインターネットで接続し、レジ入力時にデータが自動転送される仕組み。各決済は番号化され、顧客の受け取るレシートに印字される。
まずは宿泊・飲食業が対象となる。制度導入に当たり、両業界の付加価値税(VAT)率を現行の21%から15%に引き下げる。その後は数カ月間隔で卸売、小売、手工業界に導入していく。また、レジスター購入費用として、業者に5,000コルナ(約180ユーロ)の特別減税を適用する。
チェコ商工会議所連合会のハナーク会頭は「EETにより公平な税徴収が実現し、正直な事業者が報われるようになる」と述べ、歓迎の意を示した。一方、保守系野党は「事業者への嫌がらせだ」と批判。違憲訴訟を起こす構えを見せている。
政府はEETの導入により税収が年180億コルナ(約6億7,000万ユーロ)拡大すると予想している。(1CZK=4.78JPY)