セルビア利下げ、史上最低の4.25%に

セルビア中央銀行は11日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、史上最低の4.25%に設定した。利下げは昨年10月以来4カ月ぶり。通貨ディナール安や、米国の政策金利引き上げなどから、市場では据え置きを予想していた。

中銀はロンバード型貸出金利(上限金利)も0.5ポイント減の6%へ引き下げた一方、中銀預金金利(下限金利)は2.5%に据え置き、金利コリドーは従来の「政策金利プラスマイナス2ポイント」から「1.75ポイント」へ縮小した。これにより、銀行間取引市場をさらに安定させる狙いだ。

利下げの理由として中銀は、資源価格の低下や世界市場における需要縮小により、インフレ圧力が弱いことを挙げた。セルビアの1月インフレ率は1.5%と中銀目標の2.5~5.5%を大きく下回っている。

中銀は昨年、政策金利を段階的に8%から4.5%へ引き下げた。政府が国際通貨基金(IMF)との取り決めに基づき実施している財政緊縮策への対応のほか、低インフレ率や米国・欧州連合(EU)の量的緩和策を受けた措置だった。

ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年12月に10年ぶりの利上げを実施したことで通貨安への圧力が高まり、外貨建て債務の金融コストがかさむとみられており、市場ではセルビアの利下げによる悪影響を懸念している。

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