ロシア国営ガス会社のガスプロムは2月25日、同国タス通信に対し、トルコの民間ガス事業者と供給契約の見直し交渉を継続していることを明らかにした。同社は今年に入り、2015年1月以来適用されてきたトルコの民間ガス事業者6社への割引価格を廃止する意向を表明。これを受け入れないトルコ側に対し供給削減で応じるなど摩擦が広がっている。
割引価格は、2014年に計画中止となったサウスストリームパイプラインに代わる新パイプラインの「ターキッシュストリーム」の建設を両国が昨年合意した際の条件の1つ。これを廃止する意向を今年に入り示したガスプロムに対し、トルコ側は10.25%の値下げ幅の継続を求めて交渉を続けてきた。
トルコへのガス供給を巡っては複数のメディアが、2月10日以降供給量が前年比で10%減少したことを報じていた。ロシアのインターファックス通信によるとその後供給量はさらに減少し、24日時点で昨年に比べ40%程低下している。これについてブルームバーグは、ガスプロムが値上げを受け入れないトルコ側に対抗してガス供給を削減したものだとするトルコのエネルギー省関係者の話を伝えた。ガスプロムは比較的暖かい今冬の気温を供給削減の理由の1つに挙げている。
ガスプロムはまた27日、トルコの政府系石油・ガス企業「ボタシュ」との間で今後のガス供給価格の改定について合意に達したことを明らかにした。合意の詳細については明らかになっていない。
ロシアからトルコへのガス供給は全体の約20%が民間事業者、80%がボタシュを通して行われている。