トルコ家電大手ヴェステル、ロシア撤退へ

トルコの家電大手ヴェステル(Vestel)がロシア工場を閉鎖する。エルドアン最高経営責任者(CEO)が先ごろ、バルセロナで開催されたモバイル機器の見本市MWCで明らかにした。具体的な時期や移管先などは言及していない。

ヴェステルは2003年にロシア工場を開設した。液晶テレビ、冷蔵庫、洗濯機などを生産し、約1,500人を雇用している。同社はロシアからの撤退について、工場閉鎖の決定はトルコによるロシア機撃墜事件が発生した昨年11月以前であり事件とは無関係だとしている。

両国関係は撃墜事件発生後に悪化。ロシアがトルコに経済制裁を課すなど企業活動にも影響が出ている。特に現地に進出しているトルコ企業から懸念の声が上がっており、一部では同国から撤退する動きもみられる。トルコのフィバ財閥系のクレジット・ヨーロッパ・バンクはロシアでの事業環境の先行きを悲観し、先ごろ同国からの撤退を決めている。

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