露VTB銀、15年は17億ルーブルの純益

ロシア2位銀行のVTBが17日発表した2015年12月通期の純利益は17億ルーブル(2,490万米ドル)となり、前期の8億ルーブルから倍増した。原油安や欧米による制裁、景気後退という厳しい経営環境ながらも、貸倒引当金の減少で増益を達成した。金利収入は前年同期比16.8%減の2,891億ルーブル、手数料収入は20.8%増の762億ルーブルだった。

貸倒引当金繰入額は1,781億ルーブルと、前年同期から35.3%縮小した。引当金繰り入れ前の営業利益は22.3%減の4,123億ルーブルだった。

今期の見通しについてモース最高財務責任者(CFO)は「依然として(マクロ)経済によるリスクが大きい」という見方を確認。ウラル原油のバレル当たり平均価格が50米ドルという楽観的シナリオで500億ルーブルの黒字、40米ドルという慎重なシナリオで「小さな黒字」という見通しを示した。

多くの金融機関が林立することで知られるロシア市場だが、経済危機を機にその数は減少している。昨年は免許はく奪により106行が閉鎖となり、総数が600行前後まで減った。(1RUB=1.64JPY)

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