世銀と欧州投資銀、TANAPに融資

トルコのアナトリア横断パイプライン(TANAP)計画に世界銀行と欧州投資銀行(EIB)が融資する見通しだ。消息筋が明らかにしたもので、プロジェクトに参加するトルコ国営石油(TPAO)傘下のボタシュ(Botas)を支援する目的という。

世銀が10億米ドル、EIBが10億ユーロをそれぞれ投資する。プロジェクト規模は当初117億ドルと見積もられていたが、見直しの結果、92億ドルに縮小した。出資比率は、アゼルバイジャン国営石油(SOCAR)が58%、ボタシュが30%、英石油大手BPが12%。

TANAPはアゼルバイジャン産の天然ガスを欧州国境まで輸送するパイプラインで、2018年の開通を予定する。欧州では20年初めに稼働するアドリア海横断パイプライン(TAP)と接続することで、ロシアを回避する天然ガスの調達経路ができ、供給源の多様化につながると期待されている。

TANAPの年間輸送能力は当初の160億立法メートルから最終的に320億立法メートルに強化される見通しだ。うち、トルコ消費分は60億立方メートルで、残りを欧州が購入する。

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