トルコの外国人観光客数が激減、6月は40.9%減

トルコ観光省は7月28日、6月に同国を訪れた外国人は244万人となり、前年同月を40.9%下回ったと発表した。これは1994年に統計を取り始めて以来、最大の下げ幅。観光客を狙ったテロ事件など治安への懸念が背景にあるとみられている。

国内の政情不安に加え、昨年11月のロシア軍機撃墜事件を機に、ロシアからの観光客が激減したことが響いている。今年上半期のロシア人訪問客数は87%後退した。トルコとロシアは関係正常化に動き始めているが、観光業への効果が現れるまでには時間がかかる。

2016年上半期の観光収入は前年同期比28.6%減の90億米ドルに縮小した。4-6月期は50億ドルで、低下幅が35.6%に拡大している。

トルコでは最近、テロ事件が増えており、6月末のイスタンブール国際空港銃撃・自爆テロ事件では45人が犠牲となった。7月15日にはクーデター未遂事件が発生し、旅行各社はトルコ旅行の予約取り消しや行き先変更などに無料で対応した。英トマス・クックがすでに通期利益予測を下方修正するなど、国外の関連業界にも影響が出始めている。

トルコは2014年の外国人訪問客数が3,680万人と、世界第6位を誇っていた。

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