豪投資銀行、スロバキアのエネルギー企業に出資

豪投資銀行マッコーリーがスロバキアのガスインフラ会社EPインフラストラクチャ(EPIF)に資本参加する。4日付の現地日刊紙『SMEデイリー』が消息筋の情報として伝えたもので、株式3分の1を取得すると見られる。ただ、EPIFの親会社であるエネルギー・インダストリ・ホールディング (EPH)はこの件についてコメントを控えている。

EPHは4月、EPIFの新規株式公開(IPO)を実施してプラハとロンドンの証券取引所に上場する計画を発表した。しかし2週間後には「市場から良好な反応があった」としながらも計画中止を決めたため、投資家による買収オファーがあったものと見られていた。

EPHはスロバキアとチェコに複数のエネルギー関連会社を傘下に持つ。なかでもスロバキア政府が51%の出資シェアを保有するガスパイプライン会社ユーストリーム(Eustream)はロシア産天然ガスをウクライナ経由で欧州に輸送しており、スロバキア政府のエネルギー戦略にとって重要な会社だ。ただウクライナ経由のパイプラインは同国に年間数千万ユーロの損失をもたらしており、代替ルートの調達が課題となっている。

EPIFへの資本参加が実現すれば、マッコーリーが間接的にEPHの経営に発言力を持つことも考えられるが、同パイプラインの閉鎖に向け圧力をかけることができるなど、好意的に見る向きも少なくない。

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