東芝の子会社で原子力事業を手がける米ウエスチングハウスがウクライナで核燃料工場を設置する。ロシアへの燃料依存を弱めるウクライナ政府の政策に基づくもので、同国原発への供給を強化する。
ウクライナは核燃料の95%近くをロシア原子力公社(ロスアトム)子会社のTVELに頼る。その比率を50%に低下させるのを目標としており、ウエスチングハウスからの調達分を30%へ引き上げる方針だ。
ウクライナ国営原発運営会社エネルゴアトムとウエスチングハウスは2000年以来、ウクライナにあるロシア製加圧水型原子炉用の燃料供給で提携してきた。現在、南ウクライナ原発3号機とザポリージャ原発5号機でウエスチングハウス製の燃料が使用され、今年12月からは南ウクライナ原発2号機でも導入が計画されている。
2014年のロシアによるクリミア半島併合を機に、ウクライナや他の東欧諸国では核燃料の調達先多様化への動きが顕在化。欧州連合(EU)もロシア製原子炉を持つ域内5カ国の供給源を増やすため、6月末にウエスチングハウスが率いる9社連合に対し200万ユーロの助成金交付を決めている。
エネルゴアトムはウクライナで稼動する4原発を全て運営している。その合計出力13.835ギガワットに上る。