チェコ内務省が中国通信機器最大手の華為技術との提携計画を中止した。スパイの危険が高いという調査結果を受けたものだ。チェコでは最近、中国華信能源(CEFC)が投資会社J&Tへの追加投資を中止すると発表。チェコ中央銀行も、中国工商銀行(ICBC)へ優遇措置を適用する政府案を否決した。このように、中国企業のチェコ展開が障害にぶつかる例が続いている。
地元週刊誌『レスペクト』が5日付で報じたところによると、チェコ諜報機関であるUZSIは、華為技の設備を用いたパイロットプロジェクトの評価で、スパイの危険が大きいとする調査結果をまとめた。内務省はこれを受けてプロジェクトの実施を取りやめた。
華為技術は世界でも有数の通信設備大手だが、中国共産党や人民解放軍との距離が近いとみられており、最近では米国下院が同社の市場参入を禁じた経緯がある。
チェコではすでに2年前の時点で防諜機関BISが「国内通信市場における華為技と中興通訊(ZTE)のシェア拡大で潜在リスクが拡大する」との見方を示した。両社が国外の情報収集で中国の諜報機関に協力している疑いがもたれていることを理由として挙げていた。