中国、中東欧プロジェクト基金を設置

中国の李克強首相は訪問中のラトビアで5日、政府系金融機関の中国工商銀行(ICBC)など3銀行が中東欧でのプロジェクト融資を目的とした基金を設置したと発表した。規模は100億ユーロで、インフラ、先端技術製造、消費財などの分野における提携を支援する。

対象地域は中東欧だが、中国・中東欧間の提携に重要と認められれば西欧や他の地域のプロジェクトにも融資する。基金の運営には、ICBCが今年設立した中国CEEファイナンシャルホールディングと、中国人寿保険、復星国際が携わる。

中国は東洋と西洋を結ぶ新シルクロード経済圏(一帯一路)を構成する地域として中東欧を重視し、協力拡大に努めている。国内経済の減速もあり、新たな輸出先を開拓する施策として期待をかける。

ただ、欧州連合(EU)最大の経済国であるドイツでは特定分野で中国からの投資規制を求める声が強まっており、中国にとっては逆風となりそうだ。

李首相は中国と中東欧16カ国が定期的に開催している首脳会議(16+1首脳会議)に出席するため、ラトビアを訪れていた。

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