ミネベア(本社:長野)がスロバキア東部コシツェに新工場を開設する計画をめぐる同国政府との協議が大詰めを迎えているもようだ。投資額は1億ユーロで、自動車用の冷却装置や速度計の部品を生産するほか、研究開発も行う計画という。28日付の現地経済紙『ホスポダーシュスケ・ノヴィニ』が伝えた。
政府は、東部など失業率が高い地域に大きな投資を呼び込むことを優先課題の一つとしている。大手会計事務所KPMGでは、地元に空港と大学があることがコシツェに有利に働く可能性があるとみる。ただ、派遣大手マンパワーは、「コシツェ及び周辺地域の失業率は16%を超え、働き手は十分にいる」事実を確認した上で、「技能を備えた人材を得るには業界他社よりも賃金を高めに設定するなどの措置が必要」と指摘する。
スロバキアは現在でも自動車部品製造350社が拠点を置いている。ジャガー・ランドローバー(JLR)工場の新設でその数はさらに増えそうだ。
業界専門家は、国内だけでなく半径500キロメートル内にチェコ、ハンガリー、ポーランド、オーストリア、スロベニアがあることもスロバキアに有利になるとみている。