ウクライナ政府、銀行最大手を国有化

ウクライナ政府は18日、国内最大の金融機関であるプリバートバンク(PrivatBank)の完全国有化を決定した。自己資本不足が原因で、国際通貨基金(IMF)と欧米諸国による同国への融資継続に向けた条件のひとつをクリアすることになる。

IMFは次回融資分13億米ドルの送金の条件として、金融部門の透明性を高めることを求めている。出資・取引関係を明らかにすることで、資金洗浄や汚職を食い止める狙いだ。また、業界全体の健全性を高めるため、一定の自己資本比率の維持の義務化も求めた。

中央銀行はこの方針に従い、2014年初め以来、80件以上の銀行事業免許をはく奪し、国内銀行の数は180行から100行前後に激減した。プリバートバンクについては、内部関係者への不透明な融資が表面化。そのほとんどが回収不能で自己資本比率の改善が課題となっていた。しかし、銀行側が増資計画を実行に移せなかったため、政府は、同行の規模を顧慮し、金融危機を避けるために国有化に踏み切った。同行の個人預金高は60億ドル、個人預金シェア36.5%を占める。

上部へスクロール