東欧、自国通貨よりも「ユーロ」を信頼=オーストリア国立銀調べ

中東欧や南東欧では自国通貨よりも欧州単一通貨「ユーロ」を信頼する傾向が強いことが、オーストリア国立銀行(OeNB)の調査でわかった。ハイパーインフレや貯金没収に遭った経験から自国通貨の安定性への不安が強いことに加え、自国における10年以内のユーロ導入を見込んでいる人が多いことや、決済手段として通用度が高いことがその背景にあるようだ。

セルビアでは不動産取引でユーロを決済手段とする人が半分以上に上る。現金流通に占めるユーロの比率はセルビアで60%弱、マケドニアで38%。コソボとモンテネグロは公式通貨としてユーロを採用している。

中東欧や南東欧ではユーロ導入前もドイツマルクやオーストリア・シリングなど国外通貨が並行して使われていた。

OeNBは2014年秋のデータを基に中東欧および南東欧でユーロが「代替通貨」として通用している理由を探った。昨年10月時点のユーロ世界流通量は1兆1,200億ユーロで、うち15~25%が決済に用いられていると推測される。

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