ロシア国営ガス会社ガスプロムは9日、2016年の対欧州(トルコを含む)天然ガス輸出量が前年比12.5%増の1,793億立方メートルとなり、過去最高記録を更新したと発表した。欧州連合(EU)はエネルギーの対ロ依存緩和政策をとっているが、年末の寒波や価格競争力がガスプロムの追い風となったもようだ。
東欧を中心に欧州の気温が大きく下がる中でロシア産天然ガスの需要が拡大した。EU内の天然ガス産出量が減ったことも要因の一つだ。また、原油高がまだガス価格に波及しておらず、EU産のガスに比べてロシア産ガスの価格に割安感があったことも増加を後押しした。今月に入っても寒さは続き、欧州需要家は値上がりを視野に調達を増やしているもようだ。
ガスプロムの対欧州輸出量は2013年に1,615億立法メートルの過去最高(当時)を記録した後、14年に1,466億立法メートルに減少。15年は1,586立法メートルへ回復していた。