自前のグーグルマップ~スロバキア

スロバキア運輸省がスロバキアテレコムに発注した交通情報システムが今年初めに稼動した。予算は1,700万ユーロ。もともとは昨年3月にスタートする予定だったが、9カ月ずれこんだ。

この交通システムは、自動車や公共交通機関、自転車を利用して移動する人を対象にしたナビゲーションサービスで、携帯アプリとネットサイトを通じて提供するものだ。まずは◇ドライバー向けに天気予報、通行止め情報、事故情報を加味したルート検索◇列車時刻表および遅延情報――からスタートする。情報管理は高速道路公社、スロバキア道路局および警察が行う。

独自の公共ナビサービスについては、賛否両論がある。運輸経済研究所のオンドレイ・マテイ氏はこのシステムを「金の無駄」とみる。携帯アプリのユーザーは限られているし、グーグルマップやウェイズなど類似サービスが存在するためだ。

一方、運輸アナリストのヨゼフ・ドラホフスキ氏は「道路管理当局がシステムにアクセスできれば、規則の変更や走行制限といった情報を盛り込むことができ、一般のナビゲーションシステムとは違うものになる」と利点を指摘する。

運輸省はまた、スロバキアテレコムのSIMカードを通じて移動履歴を集めることで、専門家の分析に耐えるデータ基盤ができるとみる。もちろん、その際にはデータを匿名化し、個人の動きを監視するようなことはないと強調している。

今後、公共交通や駐車情報、空港、サイクリングナビなどにもサービス範囲を広げる予定で、運輸省では公共放送局RTVSがこれを基に交通情報を伝えることも考えられると話している。

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