スロベニア国営自動車部品メーカーのツィモス(Cimos)を伊投資会社パラディオ・ホールディング・グループ傘下のTCHコジェメに売却する計画がとん挫した。TCHの代理人であるスロベニアの投資グループ、アルタ・インベスト(Alta Invest)が2月20日明らかにした。TCHはツィモスと債権者であるクロアチアの預金保証管理当局 (DAB)の債務返済交渉が難航しているため、買収中止を決めた。
政府は民営化による同社の再建を図るため、昨年10月、国が保有するツィモスの株式92%を1億1,000万ユーロでTCHに売却する契約を交わした。遅くとも今年1月末までに債務処理問題を解決し、3月までに売却手続きを完了させる予定だった。
金融危機の打撃で経営難に陥ったツィモスは自力再建が困難となり、2015年、債務の株式化を通じて不良債権受け皿機関(バッドバンク)である銀行資産管理会社(DUBT)の管理下に入っていた。
ツィモスはターボコンプレッサー、駆動系コンポーネント、シャシー、ボディ部品を製造する。スロベニアのほかクロアチア、ボスニア、セルビアに生産拠点を構え、従業員約4,000人を抱える。