チェコの化学・食品企業グループ、アグロフェルト(Agrofert)は先ごろ、ドイツに3億1,500万ユーロを投じてパン工場を設置する計画を明らかにした。パック済みのパン製品及び完全焼成前のパン製品を生産し、ドイツ市場に供給する。稼働は今秋からの予定。今回の投資は中欧最大のパンメーカーを目指す同社の方針の一環で、投資額は同社にとり過去2番目の規模となる。
パン工場を設置するのは、同社傘下でドイツ東部ヴィッテンベルク近郊にある化学企業SKWピースタリッツの敷地内。開設費用を抑え、窒素肥料などを製造する同工場の余熱を利用すると共にガスなどの燃料を共通化することでコスト削減を図る。アグロフェルトは4年前にイタリアの食品大手バリラからドイツで展開するパンのチェーン店リーケン(Lieken)を取得していた。
アグロフェルトの事実上のオーナーは現在チェコの財務大臣を務めるアンドレイ・バビス氏。チェコ議会が、政府関係者の株式保有比率が一定割合を超える企業による政府調達や投資助成措置への参加を制限する新たな規制を採択したのを受け、同氏は企業グループを信託基金化していた。