スウェーデンのポリマー大手ヘクスポールは3月31日、同国のゴム・自動車部品大手トレルボルグからチェコ子会社Trelleborg Material & Mixing Lesina s.r.oの資本の100%を買収した。買収価格は約6,500万ユーロ。今回の買収により、欧州のコンパウンド事業を拡大するとともに、中東欧市場におけるゴムコンパウンド事業を強化する。
Trelleborg Material & Mixing Lesina s.r.oは、ポリマーコンパウンドの開発・生産・販売を事業とする。チェコ西部のレシナに工場を持ち、自動車産業や、一般産業、建築・建設業界向けに製品を供給している。従業員数は約125人で、2016年の売上高は4,000万ユーロだった。
トレルボルグのニルソン社長はチェコ子会社の売却について、「我々の中核事業はエンジニアード・ポリマー製品の開発・生産であり、コンパウンド事業の役割は、我々の最終製品の重要な要素となる高品質のコンパウンドをグループ工場に供給することにある」と述べた上で、チェコ子会社は、販売に占める外部顧客の割合が大きく、トレルボルグの欧州工場への供給は生産量の一部にとどまっていた、と説明した。チェコ子会社から直・間接的にトレルボルグの競合にもコンパウンドを販売していたことから、長期的にこのような事業構造を維持することは難しく、同社(チェコ子会社)の発展において外部資本の手に渡った方が良いと判断した、と説明している。
■ 米国でもゴムコンパウンド事業買収
ヘクスポールは4月3日、米ヴァレイ・プロセッシングの事業買収について同社の資本を保有するバロー家と合意したと発表した。取引価格は約4,400万米ドル。
ヴァレイ・プロセッシングはカリフォルニア州に工場を持つ。2016年の売上高は3,400万米ドルだった、従業員数は約90人。バージニア州の工場は今回の取引の対象となっていない。