スイス、東欧2カ国からの労働者流入を制限

スイス政府は10日、EU加盟国のルーマニア、ブルガリアからの労働者流入を制限すると発表した。両国からの労働者流入が急増していることを受けたもので、6月1日から1年間にわたって実施する。

スイスは昨年7月、ルーマニア、ブルガリアの労働者に対する流入規制を撤廃したが、2019年まではEUとの合意に基づき、年間の流入数が過去3年間の平均の10%を超えた場合はセーフガード措置を発動し、一時的に制限することが認められている。同制限の撤廃によって両国から建設を中心とする季節労働者が大量に流入し、16年の流入数が前年の2倍に相当する3,300人に増え、スイス人の雇用を圧迫していることから、政府は同措置の発動を決定。5年間の就労、居住を認める許可証の発給に上限を設け、6月から1年間は996人に制限する。

スイスは2013年、ハンガリー、ポーランドなど中東欧のEU加盟8カ国に対して、同様の措置を講じた経緯がある。

EUの欧州委員会はスイス政府の決定について、16年に両国から流入する労働者は増加したものの、EU28カ国全体でみるとスイスで就労する人が減っていることから、遺憾の意を示している。

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