スロバキア政府のJLR支援、欧州委が問題視

欧州委員会は24日、スロバキア政府が英高級車メーカーのジャガー・ランドローバー(JLR)に実施することを決めた公的支援について、欧州連合(EU)のルールに違反する疑いがあるとして、調査を開始したことを明らかにした。

問題となっているのは、JLRが14億ユーロを投じてスロバキア西部ニトラに乗用車工場(年産能力15万台)を建設するプロジェクトへの支援。政府は発展が遅れている地域の振興につながる民間の投資事業に公的支援を行うことを認めるEUのルールに基づき、1億2,500万ユーロの助成を決め、欧州委に認可を申請していた。

EUはこのような支援に関して、複数の加盟国が工場などの誘致をめぐり、助成で競い合うのを避けるため、助成額を必要最小限に抑えることや、他の加盟国の同レベルの発展状況にある地域への投資を奪うものであってはならないといった制限を設けている。

欧州委は今回のケースで、政府が助成とは別に工場用地確保に関する優遇策を提供する点に関して、実質的な助成となる疑いがあり、これを含めると助成額がEUのルールで認められる限度を超えるとみている。さらに、政府はJLRのスロバキア以外の工場建設候補地はメキシコだけだったと説明しているが、他の加盟国も候補となっていた疑いもあると指摘。JLRによる工場開設決定に際して、助成以外にも要因があったかどうかも含めて調査を実施し、同支援の妥当性を判断することを決めた。

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