VW、スロバキアで世界最大の金属3Dプリンター導入

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)はこのほど、独コンセプト・レーザー社が開発した世界最大の金属3Dプリンター「X Line 2000R」をスロバキア南西部のストゥパヴァ工場に導入した。機能部品、試作品、工具を製造し、VWグループや他社にも供給する。

「X Line 2000R」は金属粉末レーザー積層造形法(SLM)を採用し、完成品は鍛造に匹敵する強度を持つ。鉄鋼粉末や、アルミ、チタン、ニッケルをベースにした合金粉末を原料とし、最大寸法80×40×50 センチメートルの形成が可能だ。ストゥパヴァ工場ではVWの車両軽量化に伴い、アルミ合金製品に注力する。

ストゥパヴァ工場は約400万ユーロを投資して2014年秋に開所した。自動車製造工程で使われる溶接用グリッパーなどの工具や作業保護装置などを製造し、世界中に供給している。製品改良にも力を入れ、VWグループのテクノロジーセンターと位置付けられている。

VWグループは約20年前から主に試作品の製作に3Dプリンターを使用してきた。低コストでの少量生産が可能で工具も不要なことから、新部品の製造・テストの迅速化に貢献し、市場ニーズへの柔軟な対応を可能にしているという。

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