ロシア石油最大手の国営ロスネフチは18日、北極海東部の大陸棚で新たな油田を発見したと発表した。推定埋蔵量など詳細は現時点で不明だが、地下2,305~2,363メートルで原油飽和率の高い鉱層が見つかったという。ただ、この鉱区は気候や地理的に開発が難しく、本格生産までには多くの時間が必要となりそうだ。
油田が見つかったのはラプテフ海ハタンガ湾ハラトゥムス半島沖の大陸棚。ロスネフチは北極海のオフショア鉱区28ブロックを保有し、合計埋蔵量は推定340億石油換算トン(toe)。このうち、ラプテフ海は95億toeと推算されている。
ロシアは主力の西シベリア鉱区で生産量が減少しており、これに代わる新鉱区開発に迫られている。しかし、ウクライナ紛争に伴う欧米の対ロシア制裁で欧米企業と提携できなくなり、オフショア、深水域、シェールオイルの開発はハードルが高くなった。
北極海のオフショア鉱区は2050年までにロシア生産量の20~30%を占めると見込まれるが、これまでに稼働しているのはガスプロムネフチのペチョラ海プリラズロムノエ海上基地のみだ。アナリストらは、凍結期間が長いことや、集落からの距離が大きいことなどから開発には多くの時間を要するとみる。新しい油田の稼働は早くても2020年代半ばとなりそうだ。