伊FCA、セルビアから撤退か

自動車大手の伊フィアット・クライスラー(FCA)がセルビアから撤退するとの憶測が浮上している。クラグイェヴァツ工場の従業員が賃上げを要求して6月27日からストライキを実施しているのに対し、経営側が交渉に応じる姿勢を示していないためだ。現地メディアは、セルビア政府と結んだ合弁生産契約が来年末で失効するのを機に、FCAが生産を中止する可能性を報じている。

クラグイェヴァツ工場の労働組合は、◇平均賃金を5万ディナール(約414ユーロ)へ31.5%引き上げる◇昨年の人員削減による労働超過の緩和(雇用増加)◇諸手当の支給――などの待遇改善を求めている。

FCAは2008年、旧ユーゴ連邦時代からの国営自動車メーカー、ザスタバの株式67%を買収し、セルビア政府との合弁会社として運営してきた。両者合わせて13億ユーロをクラグイェヴァツ工場に投資し、生産を近代化した。

同工場は昨年末までにフィアット「500 L」を累計38万2,000台生産したものの、ここ数年、生産台数は減少気味だ。(1RSD=1.06JPY)

上部へスクロール