EUが対ロ制裁拡大、クリミアへのガスタービン持ち込みで

欧州連合(EU)は4日、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の編入を受けて実施している対ロ制裁措置を拡大し、新たにエネルギー省の高官らロシア人3人とロシア企業3社を制裁対象に加えたと発表した。ロシアがドイツから輸入したガスタービンをクリミア半島に持ち込んだためと説明している。対象者にはEU域内への渡航禁止や資産凍結などの措置が取られる。

EUはロシアが2014年に一方的にクリミア半島を併合したことを受け、クリミア製品の輸入禁止、EU域内の企業および個人によるクリミアへの投資の禁止、輸送・通信・エネルギー分野のクリミア向け製品輸出および技術供与の禁止などの制裁を実施している。今回の措置により、制裁の対象は個人153人、企業40社となった。

EUは追加制裁の理由について、ロシアが国内向けとして輸入した独総合電機大手シーメンス製のガスタービンが「クリミアの新たな発電所」で使用されたと指摘。結果的に「クリミアをウクライナから切り離す行為にEUが加担」し、ウクライナの自治権を脅かすことになると説明し、引き続きロシアによるクリミアの違法な編入を容認しない政策を実行すると強調している。

上部へスクロール