米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズが、クロアチアでのサービス停止を余儀なくされている。クロアチア交通省が7月末、同社のドライバーが旅客輸送業許可を取得せず違法営業しているとして、地元通信業者にウーバーの配車アプリの使用停止を命ずる強硬手段に出たためだ。当局は6月までウーバーのドライバーから合計520万クーナ(約70万1,000ユーロ)の罰金を徴収し、10台以上の車両を押収している。
クロアチアでは2015年の営業開始当初からウーバーに対する現地タクシー業者の風当たりは強かった。これまでにドライバー間の暴力沙汰が度々あり、今年6月には首都ザグレブでタクシー業者のストライキにより一部の市内交通に支障が生じた。同社はハンガリーでも昨年7月、国内に配車センターを持たない事業者の営業を禁止する措置を受けて撤退している。
ウーバーはクロアチアではザグレブ、ザダール、ドゥブロブニクなど主要都市でサービスを提供し、契約ドライバーは約1,500人、顧客数は10万人を超える。7月初めにはアドリア海沿岸の主要都市で小型船を手配する「ウーバーボート」にも乗り出すなど、積極的な事業戦略をとっている。(1HRK=17.65JPY)