東レは23日、米国の炭素繊維子会社ゾルテックがハンガリー工場に高機能素材であるポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂コンパウンドの生産設備を新設すると発表した。部材の軽量化を目指す欧州系自動車部品メーカーの需要拡大に対応する。年産能力は3,000トン。来年3月から稼動する。
東レグループが樹脂コンパウンドの生産拠点を欧州に設置するのは初めて。世界では8カ所目となる。欧州内での営業・マーケティング業務は樹脂販売子会社東レ・レジンズ・ヨーロッパ(TREU、ドイツ)が担当する。
東レによると、PPS樹脂は耐熱性や耐薬品性、機械強度、難燃性等において優れた特性を持ち、自動車の電装部品やエンジン部品などに使用されている。また、電気・電子機器、事務機器、住宅関連部品など他の産業用途でも採用が広がり、需要が急増している。
東レは、ハンガリー工場内にPPS樹脂の試作・生産設備を設置することで製品評価、試作対応を迅速化し、欧州市場への供給態勢を強化するとともに新規需要の開拓を目指す方針だ。