英自動車メーカーのジャガー・ランドローバー(JLR)が、建設中のスロバキア工場内の物流施設の面積拡大を検討しているもようだ。環境影響評価に向けて当局に提出された事業計画で明らかになった。JLRでは「将来に向け拡張できる態勢を整えておくためで、具体的な決定はこれから」とコメントしているが、業界関係者の間では「電気自動車(EV)の生産を視野に入れた措置では」という観測が浮上している。
JLRはスロバキア西部のニトラで大陸欧州初となる工場を建設中で、来年末の生産開始を予定している。物流施設の面積は当初、6万4,000平方メートルとされていたが、今回提出された事業計画では7万5,000平方メートルへ広げられた。
業界関係者はEVの生産計画がこの背景にあると推測している。JLRは来年から、同社初のEVをオーストリアで生産する計画だ。新設が予定されるバッテリーモジュール工場の立地がスロバキアに決まるとすれば、EV用電池の保管に物流施設を拡大するという解釈が成り立つ。
JLRはニトラの自動車工場とは別に、バッテリーモジュールの生産に向けて、面積4万8,000平方メートルのパワートレイン工場を新設する計画を明らかにしている。同社は物流施設拡大とEV生産の関連を問うスロバキアTASR通信の取材に対して、「立地は未定」としたうえで、EV用電池のグローバル開発センター及び生産拠点を英国に置く計画に変更はないと強調した。