独郵便・物流大手のDHLは4日、南東欧3カ国を含む欧州4カ国の小包配達事業で現地企業と提携を結んだと発表した。電子商取引(Eコマース)の普及を受け、国境を越えた配達を迅速化する狙い。2018年末までに欧州を網羅するネットワーク構築を目指す方針に基づく措置だ。
今回、提携を結んだのはアイルランド国営郵便のアン・ポスト、ルーマニア急送便会社のアージェント・カーガス、クロアチア国営郵便のフルヴァツカ・ポシュタ、ブルガリア宅配会社のラピードの4社。アイルランドとルーマニアでは即時、クロアチアとブルガリアでは11月から提携を開始する。これにより、DHLの欧州ネットワークは26カ国に増加する。
新たに提携する4カ国では土曜配達が導入されるほか、業務標準化で小包が届くまでの時間が短縮される見通しだ。また、受取人にメールなどで配達時間を予告するとともに、配達先・時間を変更できるサービスを開始する。
DHLによると、欧州ではオンラインショップで買い物をする人が55%に上る一方、外国のショップを利用する人は32%にとどまっている。DHLでは、配送の信頼度を高めることで需要を大きく伸ばせるとみて、欧州全体をカバーするネットワーク構築を目指している。