セルビア、国営製薬会社の民営化を再開

セルビア政府が国営製薬会社ガレニカ(Galenika、ベオグラード)の民営化入札を改めて開始した。株式93.7%が対象で、最低入札価格は1ユーロ。来月2日に応札を締め切る。

参加できるのは前年度収入が3億ユーロ以上の製薬企業で、銀行債務履行の資金として2,500万ユーロの増資を実施することが条件となる。ガレニカは正味運転資金(流動資産から流動負債を引いたもの)が1億5,200万ユーロのマイナスと、巨額赤字を抱えていることから、最低入札価格を1ユーロに設定した。

ガレニカの銀行債務は7,100万ユーロに上るが、政府によると、新しいオーナーが2,500万ユーロを一括返済すれば残額支払いを免除することで銀行側の同意を得ているという。

ガレニカはセルビア製薬最大手で、10年前から民営化が試みられてきた。昨年には株式25%の入札が実施され、英フロンティア・ファーマと露ペトロヴァクス・ファームの企業連合が落札していた。しかし、銀行債務の処理をめぐって売却交渉がとん挫。今年2月に白紙に戻されていた。

現地メディアによると、フロンティアとペトロファクスの英露連合は今回の入札にも関心を示している。他には中国医薬集団(シノファーム)、スイスを本拠とするアミクス、地元セルビアのヘモファーム、ドイツのシュターダ、ブラジルのEMSなどの名が挙がっている。

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