トルコ統計局(TUIK)が5日発表した2017年8月のインフレ率は前年同月比で10.68%となり、3月(11.29%)以来の高水準となった。インフレ率の上昇は4カ月ぶり。景気を優先するエルドアン大統領が低金利政策を求める中、中央銀行への利上げ圧力が高まることも予想される。
前月比では7月の0.15%から0.52%に加速。ロイター通信が集計したアナリスト予想中央値0.15%も大きく上回った。
前年同月比で上昇が目立ったのは、自動車用燃料を含む「運輸」(17.38%)、「食品・ノンアルコール飲料」(11.97%)、「保健」(11.66%)、「娯楽・文化」(11.19%)、「宿泊・外食」(11.07%)。上げ幅が小さかったのは「通信」(1.77%)、「衣料品・靴」(5.65%)だった。
食品や燃料など価格変動の大きい品目を除いたコアインフレ率も前年同月比で10.16%に上昇し、前月の9.6%を上回った。
中銀は先月、生鮮食品の高価格などを理由に、今年末のインフレ率予測を8.7%へ引き上げたばかり。一方で、エルドアン大統領や政府閣僚は「銀行は利益を犠牲にして国民経済に貢献すべき(=貸出金利を引き下げるべき)」と発言するなど、金利抑制への姿勢を弱めておらず、中銀の金利政策への圧力は高まりそうだ。