フィッチ、ロシア格付け見通し引き上げ

米格付け大手のフィッチは先ごろ、ロシアの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。金融・財政政策の枠組みが安定的に強化されていることを評価した。格付け自体は投資適格級の最低水準となる「BBBマイナス」に据え置いた。

政策の枠組み強化について同社は、為替レート政策のより柔軟な運用、インフレ目標に対する強いコミットメント及び最近導入された予算支出ルールに見られる慎重な財政運営をポイントして挙げた。

8月のインフレ率は3.3%と過去最低水準となり、中銀の目標値4%を下回った。中銀は今年の平均インフレ率の予想値を4.1%としている。昨年の平均インフレ率は7.1%だった。フィッチは中銀の今後の方針として、慎重な緩和サイクル、政策の波及メカニズムの強化、制度的な信頼性の確保、持続的なインフレ期待の抑制を通して低インフレを継続的に維持するものと予想している。

ロシア経済は原油価格低迷の長期化と経済制裁の影響でここ2年間景気が停滞していた。今年4-6月期の国内総生産(GDP)は過去5年間で最高となる前年同期比2.5%の成長を見せている。

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