ポーランドの鉄道車両メーカー、ペサ(Pesa、ビドゴシュチ)がウクライナの首都キエフでトラムを現地生産する。キエフのクリチコ市長によると、まずはセミノックダウン(SKD)方式で始め、後に本格生産に移行する。
キエフ市は老朽化する公共交通車両の更新に取り組んでいる。今年8月には入札を通じ、ペサにトラム40両を発注した(契約額:18億1,300万フリブナ=約5,700万ユーロ)。また、国内メーカーのエレクトロン(リヴィフ)からも7両を購入する。調達するのは、空調設備、ビデオ監視システム、Wi-Fi(無線LAN)接続サービスを備えた最先端の低床式トラムという。
キエフ市で最後にトラムが更新されたのは30年以上前だ。現役の400両のうち、車齢30年以上が9割を占める。市当局では公共交通の質向上に向け、ベラルーシ国営商用車メーカーMAZ(ミンスク)のバス60台の購入も決めている。
ただ、公共交通車両全体の更新には発注済のものを差し引いても、今後、トラム165両、バス230台強、トロリーバス230台の新規調達が必要だ。これは、発注済車両数の4~5倍に当たる。市当局では入れ替えが完了するまでに5年前後かかると予測している。(1UAH=4.16JPY)