墺金融大手RBI、ポーランド子会社の債権を自社に移管

オーストリアの銀行大手ライファイゼンバンク・インターナショナル(RBI)は17日、ポーランド子会社ポルバンクの外貨建て個人向け住宅債権を同社から切り離し、自社に移管する(カーブアウト)と発表した。来年5月15日までに予定するポルバンクの株式公開(IPO)に向けた準備だ。一方で、IPOの代わりに同社を売却する可能性を検討することも明らかにした。

ポルバンクの外貨建て個人向け住宅債権は総額35億ユーロに相当する。このうち27億ユーロがスイスフラン建てで、残りはユーロ及び米ドル建て。いずれも通貨ズロチの下落で回収が難しくなっている。同債権をRBI本体に移管すれば、IPO、売却のどちらを実施した場合でも取引額が上昇するとみられている。

RBIは2011年にギリシャのEFGユーロバンクからポルバンクを買収した。その条件として、金融監督庁(KNF)から株式15%以上を市場に公開することが義務付けられた。

その後、RBIは自己資本比率改善に向けてポルバンクの売却を試みたが、交渉中に資本比率が回復したため取りやめた。しかし、今夏に予定していたIPOも応募低調で中止となり、改めて来年5月15日までの実施でKNFと合意した。

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